新しい・お墓のデザイン・出会いと別離の物語 by 丸谷博男

newohaka.exblog.jp
ブログトップ
2010年 04月 13日

断絶退路

ある青年の話です。
青年はある女性と知り合い 恋に落ち 愛を深め合います。
それからどれだけ時間が経ったか。
しかし、突然 別れの時が来ました。
別れを知らせるものはありません。
ただ冷たく 絶対的なものとして 突然来るのでした。
絶望、奈落、暗黒、無、、、、

青年は幸せだった彼女との時間と空間を思い出します。
その時間に戻ろうとします。恐ろしい今という現実には居たくありません。
温かい過去という時間に想いを馳せるのです。
しかし、時間はまた過ぎて行くのです。

あまりにも辛い。あまりにも恐ろしい。
だから、忘れようとするのです。時間を過ごすのを避けようとするのです。
青年は、酒に溺れようとしました。眠りの世界に限りなく入ろうとしました。
しかし、時間はまた過ぎて行くのです。
目覚めもあるのです。

彼女との一緒の時間に たとえ戻っても もうそこには彼女はいないのです。
遥か先に彼女の心と体は行ってしまっているのです。
後ろ姿も探すことはできないのです。
探している自分も、そこは過去ではなく今日の自分なのです。

失った家族も同じです。その家族が死んだ時点で、時間は別離をつくるのです。
お互いに、二度とそこに戻ることはできません。

青年は少し勇気を思い出します。
彼女からかかっててくるかもしれない携帯電話に未練を待つのではなく、それを捨て、明日に向かう一歩を踏み出します。
過去は過去。何人も二度と戻ることのできない時間と空間です。

人間にとっての時間。それは太陽時間です。明と暗、太陽と星・月。
なぜか、毎日どんなに悲しくても、嬉しくても、眠りが来るのです。
そして明日が来るのです。朝が来るのです。

宇宙のそれぞれに異なる時間があるはずです。
地球は地球の時間があります。
太陽がいて、地球の自転があって、地軸の傾きもあって、たまたまの時間があります。
無数の時間。星の数だけの時間が宇宙にはあるのです。
でも、宇宙時間もあるはずです。絶対的な。それは無限。という計り知れないものかもしれません。

時間と人生。向き合って行くしかありません。
なにを思うが何も思うまいが。

その青年にも、人間という不思議な 運命という時間を越えた縁はあります。
それぞれの時間と空間にいても、再び何処かで彼女と出会う時が来ることも縁です。
二度と来ないのも縁です。それは幸福でも不幸でもありません。
常に人生は時間と共にあるのです。

生きて行くということは、刻々と 時と空間を違えているのです。
一緒にいると思っても、お互いに異なる時間と空間を過ごしているのが真実です。
だから近くに寄り添う共感があるのです。一瞬であっても。
[PR]

by ohakadesign | 2010-04-13 08:35 | ♡出会い・別離・愛・死


<< 私の父が他界してから2年になろ...      一番はじめの模型 >>